俺はプログラミングが好きか

僕はプログラミングに対して「やりたい」「楽しい」「面白い」とはそれほど思わない。
悩み事と同じで、意志して熱心に取り組んでいるけれど、僕が抱いているのはそうせずにはいられないからやっているという感情の方が近い。
あるいは、山登りする人が「なぜ山に登るのか?そこに山があるからだ」と説明するのと同じだと思う。

ところで、僕の生活の大部分を占めるようになったプログラミングには今や様々な意義を持たせることができる。

プログラミングは唯一のお金を稼ぐ手段であり、唯一独学で手に入れることの出来た知識であり、人生で最も打ち込んでいることのひとつだ。特に、かつて学校教育を拒否した自分にとって、独学で知識を習得して、しかもお金を稼げるレベルまで高められたことはとても意味のあることだ。また、プログラミングの知識は誰でもネット上で学んだり調べたりすることできるように整備されていることが多く、その恩恵に預かってきた身とすれば、自分もわずかながらそれに寄与したい気持ちもある。

ただ、僕はプログラミングを何かの為ではなく無目的にやっているので、そういった意義は僕のプログラミングへの興味の範疇にはない。むしろ、僕がこういったプログラミングの意義について語ることに一種の嘘っぽささえ感じる。というのは、これまで僕は人生で何かを目指しては挫折してきたし、頭でっかちな性格もあって言動の不一致が多かったからだ。こういったことをもっともらしく語れば語るほど、プログラミングから自分が離れることを予感させるような気がしてしまうのだ。

また、僕は他人に対する恐怖心・虚栄心から、得意げに自分の知識を御開陳してしまうことが多い。プログラミングや音楽は特にその典型で、自分が好きなものをそのような道具にしてしまうことに本当に嫌気がさす。
そういったこともあって、プログラミングと自分とを結びつけて語ることに、僕は強い抵抗がある。

そのうえで、ただ客観的に見れば、これだけ時間も作業量もプログラミングに費やしているので「好き」ということになるのだろう。ただ、僕はそれを自称することは好きではない。
そんなことを語っている暇があるならパソコンに向かって作業していた方がよっぽどマシだ。