2019-01-01から1年間の記事一覧

私には、他人や世界の豊かさに触れれば触れるほど、自分がどこまでも平板で貧しい人間のように感じられる。と同時に、そのような豊かさは、私には強烈な酩酊のような、激しい引力をもって心に去来する。 確かに、貧しくて凝りかまった自分がうち開かれてゆく…

価値を転倒させるのだ

自己陶酔の中で自己憐憫に浸っていた、そういう自分を受け容れられることに格別の快感を感じていた。それは自分の醜い部分を含めて丸ごと認めてもらえるような、母性愛と性愛と憧憬をないまぜにしたような愛情だった。相手は自己愛を育む為の交換可能な道具…